2021.08.29 15:22誰が詩歌を読むのか 私はこれまで現代詩・短歌・俳句・ラップなど、数多くの詩型の創作をしてきた。その中で様々なそのジャンルの人たちと交流してきたが、今ではそうした人間関係は必須のもの以外切ることとなった。今回はそのことについて纏めてみようと思う。 詩歌というジャンルは、言葉を使う分野の中でも親しむ人間が限られるといえよう。散文のように読めば意味が伝わるわけではない。受け手、読み手側でそれらの詩歌の言葉を噛み砕いて消化...
2021.08.28 08:32鑑賞などせずに 中学・高校の頃に、よく「芸術鑑賞」なるものに連れていかれることがある。思春期の多感な時期に「芸術」に触れるのはよいことだとされているからだろう。もちろんそれに異論はない。しかし、果たして芸術とは単に「鑑賞」するものなのだろうか。 学校などの芸術鑑賞には、もれなく「作品の一通りの見方の解説」がついてくる。歌舞伎はこのように鑑賞する、打って変わって能楽はこのように鑑賞する、というように。今現在の教育...
2021.08.12 13:41家を作る 敗戦の日が近くなってきた。戦後から毎年その日はずっと意識されてきた。日本人として当然のことだろう。しかし、戦争及び戦前や戦後のこの国のあり方についてのスタンスは、日本人のなかで揃ったことはない。 果たして大東亜戦争での日本のあり方は良かったのか、悪かったのか。どこをどう反省して戦後に生かすべきだったのか。それすら明瞭でない。戦場での悲惨な出来事は間違いなく悲惨である。そして、戦下で国民が強いられ...
2021.08.02 14:32どぶ川に昼餉 仕事の合間に昼食に出る。 五百円すらも使えない貧乏人である。結局、値引きシールを貼られた菓子パンを二つと飲み物を買い、外へくり出す。 夏らしい湿り気だ。日射もまだまだきつい中を近所のどぶ川に向かう。 川が流れるのを目前にしてパンにかぶりつく。 さもしいのは承知だが、どぶ川の流れが無心へと誘ってくれるのだ。微かに潮の香りがする。川の前でやっと腰が座る。
2021.07.31 16:20ださいままでいるという我が儘 人は生まれてくる以上、各々にとっての最高の生き方をしたいのだと思う。自分の分際にぴたりと合った生き方を心の底では望んでいよう。自足に足るという実感を持つに至った者は幸せであろうし、周りも心底幸福を感じる。もちろん少しばかりの嫉妬心も混じる。時代状況・環境・性格などにより、多くの人たちが幸せに生きられるわけではないからだ。それでも自足して幸せに生きられている者には、幸せな雰囲気は醸し出されるし、全...