どぶ川に昼餉

 仕事の合間に昼食に出る。

 五百円すらも使えない貧乏人である。結局、値引きシールを貼られた菓子パンを二つと飲み物を買い、外へくり出す。

 夏らしい湿り気だ。日射もまだまだきつい中を近所のどぶ川に向かう。

 川が流れるのを目前にしてパンにかぶりつく。

 さもしいのは承知だが、どぶ川の流れが無心へと誘ってくれるのだ。微かに潮の香りがする。川の前でやっと腰が座る。

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