2021.12.30 13:35味わうこと 私も精神疾患を罹患している身であるから慎重に言おうと思うが、いわゆる精神病患者の特徴として「些細なことに過剰な意味付けをしてしまう」ところがあると思う。それは自身の出自であったり特性であったり、さらに加速していくと目の前のただの物に対してさえ「過剰な意味」を付加してしまう。 例えば、近頃は「発達障害」や「毒親」といった語によって自身を説明する風潮がある。そうした全員が精神疾患という部類に入れるべ...
2021.12.09 14:41人は一目で決まるか 人への感情は第一印象で決まる、とはよく言われる。どんなに論理的に組み立てていったとしても、ある人の最初の印象を塗り替えるのは難しい。人間は完全に理性的な存在にはなり得ないからだ。 だが、そのように一目で自得した信用が覆されることもあるだろう。心身の健康状態やおのれの判断の経験などで直観が鈍っている場合があり、往々にして人は騙される。「もっと考えておけば良かった」と後悔したり、相手に対して憎しみの...
2021.12.05 13:44文学の価値について 文学という芸術分野は、言うまでもなく言葉によって成り立っている分野である。言葉はおおよそ万人が使用できるものであろう。よって、「どのような文学作品が価値があるのか」という問いへ十全に答えることが非常に難しいように思う。ともすれば「人によって価値観が異なるのであるから、ある作品の価値など一人一人で変わってしまう」「文学作品の価値など決めることはできない」というような相対的な論議に終始してしまうこと...
2021.12.02 14:38素直さについて 齢を重ねるごとに、人は要領よく物事を整理しなければ生きていけない。金銭含めた実生活上の問題、感性が削られていく精神的な問題、生きていけば必ず問題にぶつかる。その道行きの中で、自身の「素直さ」を捨ててしまう者も少なくない。 素直さを捨てる、ということは、自分の情緒的な流れを阻害するということである。自然に感動するであろう場面で感情をおし殺す。あるいは好きなことを好きである事実を捻じ曲げて、体面よく...