2024.05.16 11:23一生の終りはどう仕舞うか/仕舞われるか 人は日々の雑事に追われ考えるよりも瞬時での行動が多くなると、人生が進んでいる感覚が優位になり「死」の存在を忘れることができる。つまりは(人は「死ぬ」ことによって一生を完結できるのだとすれば)生と死の相補的な関係によって完結する「全体感」を感じずに生きるようになるということだ。 もちろんそれ自体は悪いわけではない。さもなくば「死」を四六時中内面化することになり、その生自体たいへん辛い苦闘を強いられ...
2024.05.14 11:22孤独と孤立 学生時代だから大分昔の話になるが、ある時恩師が「孤立はいいけれども孤独は怖い」と問わず語りに言ったことがあった。私と恩師とで二人並んで歩いていた時で、どのような流れでそんな話題になったのか記憶にない。ただ、先生がその時遠い目をしていたのが気になって、今でも澱のように心に残っている。 私はその当時は「孤独なんてことは当り前じゃないか」とぽかんとしていた。人が人生で全的に認められることは有り得ない、...