2024.07.21 10:20「当事者研究」とは自分語りではないのか 昨今、さまざまな精神疾患を抱える者において、自身で「当事者研究」と呼ばれる散文を物す人が多くなってきた。またこの時流に乗る形で、「発達障害」と診断された作家や大学教授などが、それにまつわる著作をつぎつぎ出版するケースも多くなってきている。 私も高校時代に「統合失調症」という診断を受け、今も「自閉症スペクトラム障害(ASD)」という診断を保ち通院を続けている。さらに主治医から当事者研究をすすめられ...
2024.07.11 09:44臨界を知る 文学というジャンルにおいて「小説」が主流になってから長い時間が経っている(ここではあえて「歴史」という言葉ではなく、「時間」という語句を使っておく)。書店などをのぞいても、一番文学として流通しているのは小説だろう。文学における自律性・この消費資本主義社会での貴重さを担保するのは、流通の良さでは断じて無いが、そんな理想を嘲笑するかのように、日々沢山の小説が刷られ日々捨てられていく。 そうした現在の...