腰を据えるエンタメ
かなり昔の話になるが、映画「シン・ゴジラ」とアニメ映画「君の名は。」の二作が同時期に大きな話題となったことがあった。メディア宣伝による効果だけでなく、普段はアニメにも映画にも興味がない人さえ、話題にしていたように記憶している。
かく言う私もこの二作品をリアルタイムで見ている、わけではないが「君の名は。」は見た(「シン・ゴジラ」は当時から二年経ったくらいで見た)。どちらも胸躍る作品である。勿論、映画・アニメについて一家言ある人たちは色々と不満もあるだろう。ただ映像について素人に近い私は「ワクワクする体感」を存分に楽しませてもらった。
「シン・ゴジラ」「君の名は。」ともにエンターテインメントとしての側面があるから、存分に楽しめるという要素は至上かつ必須のものである。「エンタメ」として面白いのならばそれで良いのだ。この二作については批評的な言説も数多くあり、ここまで社会現象になってしまった以上、作品に対して批判的なものも少なくなかった。それでも私個人の意見としては、批評的な言説・現象ふくめて楽しませてもらったので、作品と作品をめぐる現象セットで良いだろうと思っている。
この短文で内容について触れることは止しておきたい。分析的・批評的な視座が優れている考察は相当数出ていると思うから。しかしあくまで(自戒も込めて)記しておきたいのは、「芸術」であろうと「エンタメ」であろうと、作り手が作り手自身の立場にしっかり「腰を据え」ることができないと、何事も中途半端に終わるということだろう。
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